プロ野球選手は自主トレで何をしているのか?

2021年のプロ野球は3月26日にいよいよ開幕を迎えます。
選手たちは2月1日から始まった春季キャンプ、3月から始まるオープン戦を消化して、シーズン本番に挑むのですが、2月1日までのプロ野球選手の過ごし方って気になりますよね?
実は、プロ野球選手は、12月~1月にかけて、チームから拘束を一切されません。
完全にフリー=自由です。
その代わり、球団から管理されていないので、監督コーチからの指導は受けられません。
そこで、自主トレーニングを行い、2月1日の春季キャンプでアピールできるように身体を仕上げています。
中でも報道などで取り上げられるのが、球団を飛び越えて実績のある選手と若手選手が行う「合同自主トレ」。
今回は、「合同自主トレ」では何を行っているのか、何のために行っているのかについて、説明していきます。
プロ野球選手の合同自主トレとは?
プロ野球選手は2月1日のキャンプインから、選手は監督コーチにアピールする必要があります。
そこで、自由な期間とはいえ、12~1月中にトレーニングをするのです。どこで、どのくらいの時間や量、誰と行うか、全て選手自身が決めます。
メニューは大まかに、
- キャッチボール
- ランニングやダッシュといった走り込み
- ウェイトトレーニング
以上の3つがメインです。
さらに野手は打ち込みやゴロ捕球、投手はピッチング練習といった実戦的なメニューを加えます。
とはいえ、実戦的な練習は春季キャンプで行うので、それに耐えられる筋力や持久力を向上させるのが自主トレーニングの主な目的。
ちなみに、どこで練習するかは選手が自由に決められるのですが、施設やパートナー=トレーナーも全て選手が自分で確保しなければなりません。
そこで、なかには「自主トレって、どうやったらいいか分からない」「何かを変えないとマズい」といった悩みを抱える、まだ実績のない選手や入団して間もない若手選手もいます。
そういった若手選手は、先輩選手やコーチに相談し、
- オススメの施設やパートナーを紹介してもらう
- 相談を受けた先輩選手が「俺とやろうか?」と提案し、合同自主トレする
- 実績のある選手を紹介してもらい合同自主トレする
といった提案をもらいます。
近年の弟子入り志願
2016年1月、内川聖一選手(現スワローズ、当時ホークス)の自主トレに、ブレイク前の鈴木誠也選手(カープ)が志願し、この年から大ブレイクします。
その後球界を代表する強打者になって今に至ったことは有名です。
この時も、当時の石井琢朗コーチや小窪哲也選手に相談し、内川選手との自主トレが実現したそうです。
そして鈴木選手は、2020年の自主トレでチームメートであり先輩でもある堂林翔太選手に弟子入り志願されます。
「先輩選手が弟子入り志願」ということでメディアから注目された堂林選手は2020年シーズンに活躍し、レギュラーに定着しました。
なぜ「合同」でやるのか?
そもそも、なぜ合同でやるのでしょうか?
弟子入り志願する選手は、実績ある選手のプレーから学べることを吸収するためです。
一方、実績ある選手はというと、彼らに対して基本的に教えることはしません。教えるのではなく、自身の考え方を説明することが多いです。
自分のことを説明するというのは難しく、自己分析しなければなりません。
実績ある選手は、この自己分析に加え、若手選手の必死な姿を見て刺激を受けることが合同自主トレのメリットといえます。
2021年1月も各球団の多くの選手が合同自主トレを実施しました。彼らの自主トレの成果は、間もなく始まるシーズンでみられます。
誰と、どんな合同自主トレを行った選手が活躍するのか、という視点で観戦するのも面白いのではないでしょうか。