五輪を戦う侍ジャパンに無条件で敬意とエールを送るべき理由

6月17日東京五輪の野球日本代表(侍ジャパン)のメンバーが発表されました。
しかし、今回の選考内容に対して野球ファンからは
「なんであの選手が選出されないの?」
「なんであの選手が選ばれたの?」
といった否定的な意見が散見されます。
否定的であることの理由に、選出された、または選出されなかったメンバーの
- 今年の成績
- 体調、コンディション
といったことが挙げられます。
- あんなに良い成績の選手が落選するなんておかしい
- 選出されたあの選手、いま調子悪そうじゃん
- 監督は何考えているんだ
言いたくなる気持ちは分かります。侍ジャパンの活躍を願うからこその意見だと思うんです。
がしかし、ここでは「五輪を戦う侍ジャパンに無条件で敬意とエールを送るべき」と思う理由をお伝えします。
馴染みのある情報に目がいきがち
選考に不満がある野球ファンが参考にする情報って、メディアが提供する「馴染みのある情報」なんです。
馴染みのある情報とは、
- バッターなら「打率」「本塁打数」
- 投手なら「防御率」「勝利数やセーブ数」
プロ野球ファンなら誰もが聞いたことがあると思います。
確かに、それらの数字を単純比較すると、選出されなかったのが不思議な選手がいるのも事実です。
しかし、侍ジャパンの稲葉監督やコーチといった首脳陣、そして存在は明るみに出ませんが、首脳陣にデータを提供する「データ班」は、当然馴染みのある情報だけを参考にはしていません。
では、どんな情報を参考にしているのでしょう?
馴染みのない情報
テレビや新聞で取り上げられる数字以外にも、野球には選手の実力や状態を反映するデータが数多く存在します。
そして、それは多くの人にとって「馴染みのない情報」です。
馴染みのない情報例を、2つほど紹介します。
*侍ジャパンが参考にしたかどうかは定かではありません。
K/BB
メジャーリーグでは以前から重要視されている指標です。
K/BBとは投手の指標で、
- K:奪三振
- BB:与四死球
のことを表します。
ざっくり言うと「三振を多く奪い、四死球は少ない投手が優秀」というわけです。
「三振を奪うけど、与四死球も多い投手」は、近年評価されにくくなっています。
理由は、K/BBの比率が悪い投手は勝ちに恵まれない、という傾向がはっきりと表れているからです。
外国人選手との対戦成績
プロ野球のシーズン中は、誰も気に留めないマニアックな成績ですが、国際大会のメンバー選出となると有効な情報となるのが外国人選手との対戦成績です。
プロ野球のシーズン中に、国籍や実力問わず
- 外国人投手から多くヒットを打つ日本人打者
- 外国人打者を抑えている日本人投手
こういった情報を、侍ジャパンのデータ班はおそらく収集しています。
そして、仮にメンバー選考で迷った場合、こういった情報が役に立っていることでしょう。
選手時代の経験がある
選出されたメンバーが集まり、実際にどう戦うかは、始まってみなければ分かりません。
しかし、ある程度予測できる人がいます。
それが他ならぬ、稲葉監督です。
稲葉監督は、2008年の北京五輪、2009/2013年のWBCで代表に選出され、中心選手としてスターティングメンバーに名を連ねて合計23試合を戦っています。
戦いの中で、自身のことだけではなく、中心選手としてチーム全体のことも見てきたはずです。
それは決して成績に表れず、メディアで発信されることのないどころか、「目に見えない」情報も含まれていることでしょう。
代表選考から始まった、
- 外部からの批判
- 日本を代表して戦うことの重圧
これらを受け入れて日本のために戦う選手、稲葉監督ら首脳陣に、敬意と多くのエールが送られることを願います。