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日本の少年野球の危機的状況について

日本の少年野球の危機的状況について

新型コロナウイルスの大流行が始まる前から、「日本の野球は危機的状況にある」と叫ばれていて、その状況は今も変わりません。

プロ野球の公式戦は観客が多く、「夏の甲子園」も2020年は開催が中止されたとはいえ、根強い人気があります。

そんな野球のどこが危機的なのかというと、小中学生の野球人口の急減です。減少ではなく急減なのです。

小中学生の野球で、いったい何が起きているのでしょうか?

 

少子化が原因なのか?

野球人口だけではなく、少子化で子どもの人口そのものが減ったのでは?という指摘もあります。

しかし、それは違います。

小学生年代

実は子どものサッカー競技人口は増えていて、他のスポーツは微減~横ばい程度、野球だけが急減なのです。

例えば日本バスケットボール協会によると、2010~2020年にかけて小学生世代のバスケット人口は15万人強で推移しています。

一方で、少年野球チームは全国的に年々減っていて、その理由の大多数はチームの部員不足です。

中学生年代

中学部活動の部員数も、多くの都道府県で1位サッカー・2位野球という結果となっており、3位のバスケットボールに追い抜かれるのも時間の問題です。

野球人気だけが薄れているのです。

 

中学の軟式野球部の部員数がほぼ半減

さらに衝撃的なのは中学の軟式野球部に所属する生徒の数です。

中体連によると、全国の中学の軟式野球部員数は、

2007年:305,000人

2017年:174,343人

なんと40%以上の減少となっているのです。

 

硬式のクラブチームは減っていない

では、野球そのものが競技として魅力がないから人口が減ったのか?というと、そうとは言い切れません。

先ほど中学の軟式野球部員が減少しているとお伝えしましたが、「リトルシニア」「ボーイズ」など同じ中学年代の硬式クラブチームに限ってみると、チーム数や部員数はほぼ横ばいで推移しているのです。

これは、中学の硬式野球が部活動と違って高校野球やその先を目指す人にとって「塾」「予備校」の意味合いが強く、明確な目標をもった意識の高い選手はこぞって硬式クラブチームに進むことによります。

加えて、中学の部活動は、顧問の先生が人事異動により頻繁に替わってしまいます。場合によっては野球経験のない先生が顧問になって「見守るだけ」という学校も存在します。

そういったことも高校以降も野球を続けたい選手にはネガティブ要素となって軟式野球部→硬式クラブという流れを加速させています。

 

野球を始める子どもが少ない理由は?

とはいえ、野球人口の絶対数が減っているのは事実であり、硬式クラブチームも何とか横ばいを保っている状況です。

もちろん多くの少年野球チームで部員募集をしていますが、うまくいっていないチームが多いです。

しかし、先述したように野球そのものの魅力が落ちたわけではないので、野球が始めたい子どもは特定数存在するのです。

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では、野球を始める子どもが少ない理由は?それは「親が反対する」からです。

なぜ反対するのかというと、

  • 休日の予定が子どもの野球で埋まってしまいそう
  • 当番が面倒くさそう
  • 主に母親がやるスコアラー、主に父親がやる審判が精神的にキツそう
  • お金がかかりそう

というものです。

実際、チームによっては上記のような役割を保護者に協力してもらわないと運営できないチームが大半です。

また監督・コーチも、野球経験のある選手の親が無償で引き受けるケースが一般的となっています。

このような背景もあって「野球を始めたいのに始められない」というケースが生じるのです。

 

魅力あるスポーツの1つなのは事実

少年野球でも全国大会を目指すようなチームの場合、選手の親にかかる負担はさらに増します。

小学生時に、全国大会を目指して選手も親も燃え尽きてしまい、中学で野球を辞めてしまうケースもあります。

野球が魅力の無いものならば仕方がないのかもしれません。

しかし、プロ野球や夏の甲子園の観客数だけでなく、大人たちが趣味でやる草野球の人口は推定で400万人とも500万人とも言われています。

本来であれば好きで始めた野球を中学高校と続けることで、さらなる楽しさに気付けることもあるのです。

「野球を始める子どもが少ない理由は?」で挙げた課題はテクノロジーを駆使する、他競技クラブを参考にするなどすれば解決できるはずです。

魅力あるスポーツだからこそ、日本の小中学生が野球を始め、長く楽しめる環境が整備されることが望まれます。

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